上顎は高性能磁石を使い
残った歯と入れ歯を維持します
下顎は前歯を連結して補強
将来歯を抜いても修理可能な設計です
15年ほど前から歯周病がひどくなり、歯を2本抜いた時から、部分入れ歯を使うようになりました。
が、これまでの歯科医院では歯を残すことにあまり熱心ではなく、針金をかけている歯を一本、一本と抜くことになりました。現在は、上顎に2本、下顎に前歯6本あるだけです。
先日、ついに、もう後は、総入れ歯しかないと、言われましたが、40代で、上下とも総入れ歯になるのかと思うと、いたたまれなくなり、当院を受診しました。
入れ歯を作っては歯が弱くなり、また入れ歯を作り・・・ずっと歯の治療を繰り返し、そのたびに歯が少なくなってきました。もうこんな思いはしたくありません。
これ以上、1本も歯を失いたくないし、長く使える入れ歯を作りたいとも思います。
とにかく、これで治療を終わりにしたい。それが私の切実な願いです。
まず、歯を失った原因を徹底的に診査し、虫歯や歯周病の治療と、予防処置を行い、残っている歯の補強処置をします。同時に日常のお手入れの説明をし、練習もしていただきます。
入れ歯の設計は残っている歯に対して悪い力がかからないように考えます。
かみ合わせを整えることも重要です。
上顎はマグネット(高性能磁石)を使って、残った歯の保存と、入れ歯の安定を図っています。下顎は、残っている前歯を連結して、補強しました。
さらに、将来的に下顎の歯を失うことになっても、簡単に修理がでるような形に設計をしておきました。
この入れ歯を作ってから5年経ちますが、定期的な検診と患者さんご自身のお手入れがきちんとなされ、入れ歯も残った歯も健康な状態です。
どの患者さんにとっても、総入れ歯(総義歯)になることは、できるだけ先に延ばしたいものでしょう。特にお若い患者さんほどその思いは強いものでしょう。
この患者さんも残っている歯が少なく、一本でも抜きたくないというのが強いご希望でした。 このような場合、入れ歯(義歯)の設計が残っている歯に負担をかけてしまい一本一本と歯が弱っていってしまうこと、歯周病の治療が不十分で支える骨がなくなってしまうこと、の2点に注意して診療を行わなければなりませんでした。
患者さんは、毎日のお手入れもよく協力してくださり、入れ歯(義歯)装着後も一本も歯を抜くことが無く健康に過ごされています。
残っている歯は上下とも4本ずつです
針金の無い入れ歯。入れ歯とわからない仕上がりです。
食事、会話での大きな不満はありませんでしたが、趣味で通っているシャンソン教室の発表会の時に部分入れ歯の針金がライトに光り、毎年、人知れず悩んでいました。外れるのではないかとの心配も、頭のどこかにいつもあります。
以前は、友達との旅行が大好きでしたが、入れ歯になってから、なんとなく旅行への積極性もなくなってきました。
入れ歯であることが他の人に分からないことです。
そして、入れ歯を気にせず、思い切り大きな口をあけてシャンソンを歌いたい。
ばねを使わない入れ歯の設計をしましょう。
入れ歯のピンク色の部分ができるだけ小さくできることを考えましょう。
しっかりとお口の中に維持される特殊装置(コーヌス義歯)を使いましょう。
入れ歯を維持する力が強いコーヌス義歯なので、義歯をはずすのが大変なほど、しっかりと装着されています。大きくお口を開けて歌っても、ばねが無いため、入れ歯であることが他の人にわかりません。
患者さんは、発表会で、気持ちよく歌うことができたと、喜んでいらっしゃいました。
この患者さんのケースでは、コーヌスという特殊な精密な装置を使った部分入れ歯を作りました。お茶のふたのようなごくわずかの傾きを持たせた二つの冠を作るには、お口の中での歯の削り方や設計だけでなく、それを作りあげる技術を持った技工士の存在が欠かせません。
患者さんの希望される生活の質(QOL)を何とかして獲得するために、技工士と二人三脚で作り上げました。
明るい表情でメインテナンスに来院される患者さんを、私たちはいつも楽しみにしております。
治療前の上顎
部分入れ歯をはずしたところ
ブリッジをセメント装着した状態
外れることはありません
入れ歯の心配が無くなって明るい笑顔を取り戻されました。
患者さんは、上あごを覆うタイプの取り外し式の部分入れ歯を使われていました。
ご家族が入院された際、病院では(手術など)処置によっては、取り外し式の入れ歯は外さなければならないことを知りました。
ご自分の取り外し式の部分入れ歯を、何とかして外れない形のものにしたいと強く希望されて、来院されました。
入れ歯安定剤を使えば今の入れ歯での食事、会話は何とか我慢できる状態です。
入院しても外さなくていい入れ歯に変えたい。
入れ歯であることを気にしない生活がしたい。
ブリッジ(橋義歯)、または、インプラント義歯、あるいはブリッジ(橋義歯)とインプラントを併用することも考える。
残っている歯の数、場所、状態が良かったので、上顎全部の歯を一まとまりにしたブリッジ(橋義歯)にしました。この形なら、たとえ入院して手術になっても、入れ歯を外すことはありません。
患者さんもとても安心され、ご自身でも明るくなったと、感じられるそうです。この状態が続くように、定期的なメンテナンスと、ご自宅での毎日のお手入れに気を配っていらっしゃいます。
この患者さんのケースでは、上顎の歯が、ブリッジ(橋義歯)を支えるために必要な本数分だけ、ちょうど良い場所に残っていました。それらを一本も抜かずに利用することで、患者さんのご希望の、はずれない義歯(入れ歯)を作ることができました。 逆に言えば、残っている歯の一本でもだめになると、ブリッジ(橋義歯)は無理で、取り外しの入れ歯(義歯)になってしまうという、大変難しい症例でもありました。
上下の歯のかみ合わせも、顎の動きに合わせたものとし、残っている歯に負担がかからないように安定した状態に調整しました。そして、残っている歯の歯周病(歯槽膿漏)の治療は特にしっかりと行う必要がありました。治療後の良い状態をできるだけ長く続けるために、毎日のお手入れ、定期的な検診の大切さもよく理解していただきました。
患者さんのご自身の「歯を大切にしたい」という姿勢によって、ブリッジ(橋義歯)も残った歯も、健康な状態です。
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