義歯装着4年後93歳・施設入所後に落として割れたが、新しい義歯の作り直しではなく、修理で対応
番外編 施設入所後の義歯破折
89歳の時、萩原歯科医院で入れ歯を作りましたが、その後、入所した施設で義歯を洗う時に、誤って落として、端のピンクの部分が割れてしまいました。
ご本人は来院しなくても、娘さんに義歯を持ってきてもらって修理をして、問題なく使用できています。
義歯が割れる前の状態
長い間悩んでいた義歯の問題も、89歳の時の萩原歯科医院の義歯ですっかり解決し、しっかりと食事もとれていましたが、足腰が弱って自宅での生活に不安が出てきたため、施設に入所されたとの連絡が、娘さんからありました。
【89歳の時に当院で治した状態】詳細はこちら>>
義歯が壊れた状態
4年後の93歳の時、娘さんから「施設で義歯を洗っているときに手が滑って、洗面台の鉢に落としてしまい、ピンクの部分が欠けてしまった」との電話がありました。
割れた部分は小さく、割れたままでも噛むことには全く支障はないものの、施設に来ている往診の歯科医師から「修理はできないので、新しく保険の義歯を作りましょう」と提案されたそうです。
娘さんは、「新しく作って、また食べられない義歯になってしまったらどうしよう、本当に新しく作ったほうが良いのだろうか」と心配しての電話でした。ご本人は、車いすのため、来院が難しいとのことでした。
義歯の修理
すぐに、娘さんに義歯を持ってきてもらい、見せてもらうと、ご本人が来なくても、簡単に治せる破損でした。
歯科医師によって対応できる内容は違います
往診の歯科医師は「修理できない。新しい保険の義歯を作ろう」と言ったそうですが、この程度の義歯の破損は、私たちでなくても対応できる歯科医師は少なくありません。
ひょっとすると、往診に来た歯科医師は得意な分野が義歯ではなく、義歯の問題にはあまり慣れていない歯科医師だったのかもしれません。
同じ歯科医師でも、義歯以外の知識はあるものの、義歯治療の知識と経験が多くない場合もあります(もちろん、私たちにも、十分な知識や経験が少ない分野もあることを自覚していますので、自分たちでは十分に対応ができない場合は、専門医や大学病院を紹介しています)。
歯科医師によって、対応できる治療の内容が違うことは、患者さん自身が歯科医院や歯科医師を選ぶときに、気にかけると良い点だと思います。
萩原歯科医院の義歯は、歯の終活を考えて設計しているため、たいていの場合は作り直しではなく、修理が可能な治療を心がけています。ご本人が来ていただかないと、かみ合わせなどの確認ができない場合もありますが、今回も娘さんに持ってきてもらった義歯を、その場ですぐに修理をすることができました。
新しい義歯を作ることが、必ずしも良いわけではありません
義歯治療の経験が少ない歯科医師の場合、義歯の患者さんをみると「新しく作りましょう」と、すぐに提案をしてしまうことが多いものですが、新しく作ったけれどうまくいかない、と相談に来る患者さんもたくさんいらっしゃいます。
私たちは、今使っている義歯の状態が悪くない場合は、新しく作るのではなく、できるだけその義歯を使えるようにしていきます。
安易に、新しく義歯を作ることを提案しません。
萩原歯科医院で作った義歯も、何十年経っていても、問題なく使えているのであれば、新しく作ることは、提案しません。
私たちも、長く臨床経験を積んできた中で、今使っているものが問題なく使えている場合、どんなに丁寧に時間をかけて作っても、どんなに良い材料で作っても、使い慣れたものより新しい義歯が使いやすいと喜んでもらえることは多くないことを、幾度か経験してきました。
新しい義歯治療が必ずしも患者さんのためにならない場合があることを、知っています。【何が、患者さんのためになる治療か】自分が患者だったら、そういう視点で治療を提案してもらいたいので、「新しく作っても、今より快適にはなりませんよ」と、患者さんに言うこともあります。
往診の歯科医師の「保険で新しい義歯を作りましょう」との提案に従って新しく作っても、今の慣れている義歯のように快適に使えるようにするのは、簡単ではないと思います。
また、義歯は使いやすさを考えるうえで、「慣れ」というものも、とても重要です。
私たちは相談に訪れる患者さんの義歯が、大きな問題もなく使用できている場合は、新しく作ることはお勧めしません。




